着物の伝統文様 ② 青海波(せいがいは)

着物

②青海波(せいがいは)

青海波

→扇のような半円形を互い違いになるように重ね、波のように反復させた文様です。

Wi-Fiのマークを思い浮かべて頂けると分かりやすいでしょうか^^

無限に広がる穏やかな波に「未来永劫の平安の祈り」が込められた文様です。

 

その由来は諸説ありますが、元は古代ペルシャで使われていた文様で、シルクロードを経て飛鳥時代に日本に伝わってきたものという説が有力です。

「青海波」に似た文様が、エジプトやトルコ、中国でも見られます。

他の文様もどの国でも同じですが、幾重にも繰り返されるデザインには永遠にその幸せが続きますようにとの祈りが込められています。

 

文様の名前は雅楽の演目「青海波」でこの文様の衣装を身に着けるようになったことが由来と言われています。

平安時代に書かれた「源氏物語」第七帖「紅葉賀」に光源氏と頭中将が雅楽の「青海波」を優雅に舞う姿が描かれています。

源氏中将は 青海波をぞ舞ひたまひける 片手には大殿の中将

容貌 用意 人にはことなるを 立ち並びては なほ花のかたはらの深山木なり

 

訳:源氏中将(光源氏)は青海波を舞われた。もう一人の舞手は左大臣家の頭中将であった。

容貌や所作が人より優れている頭中将も源氏中将(光源氏)と並んでしまっては、

やはり美しい花(桜)の隣にある誰も気に留めない深山の木であるとしか言いようがない。

引用:「源氏物語」第七帖「紅葉賀」

 

*「青海波」のバリエーション

・「花青海波」

花青海波

→花で青海波をかたどったもの。

中の花が菊だと「菊青海波」、中が松だと「松青海波」、中に菱形だと「菱青海波」と呼ばれます。

 

・「破れ青海波文」

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→青海波を敷き詰めずに、ところどころ破れ模様になっている青海波です。

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