矢絣(やがすり)と矢羽根(やばね)の違い
矢絣は矢羽根の形をモチーフにした絣織物の模様の名前、矢羽根は弓矢の末端についている羽のことです。
混同されやすい理由は名前が似ているからですが、整理すると単純です。矢羽根は実物、矢絣はその形を布に表現した模様の名称です。「矢羽根柄」と呼ぶこともありますが、これも矢絣と同じ意味で使われます。
矢絣に込められた意味・由来
矢絣が縁起の良い柄とされる理由は、矢の性質にあります。矢は一度放てば真っ直ぐ飛び、戻ってきません。この「戻らない」という特性が、江戸時代には「出戻りにならない」という意味に転じ、婚礼の着物に使われるようになりました。
明治18年(1885年)創立の華族女学校(現・学習院女子部の前身)では、学監の下田歌子が矢絣のお召しに海老茶色の女袴を合わせた制服を考案しました。これが全国に広まり、明治・大正期の女学生の象徴的なスタイルとなりました。現在も「大正ロマン」を代表する装いとして認識されています。
矢絣はどんな場面で着る?卒業式だけじゃない
矢絣が使われる場面は卒業式の袴だけではありません。七五三の羽織、お宮参りの熨斗目(のしめ)にもよく用いられる柄です。
卒業式のイメージが強いのは、前述の女学生スタイルが現代まで受け継がれているからです。七五三・お宮参りといった子どもの晴れ着にも古くから使われてきた柄です。ただし結婚式へのご出席にはカジュアルすぎるため、フォーマルな場への着用は避けた方が無難です。
矢絣の色と組み合わせ——男女お揃いでも着られる理由
矢絣は紺・赤・緑・グレー・茶など色の展開が幅広く、最近ではパステルカラーも目にする機会も多く性別を問わず着られます。浴衣で言えば、男性向けの落ち着いた紺や茶の矢絣と、女性向けの赤や白、パステルカラーの矢絣を合わせてペアで着ることができます。
実際に矢絣柄の浴衣を持っていますが、パステルカラーで幾何学的な模様のため、帯や小物で印象を変えやすいのが使いやすい点です。着物初心者にとっても扱いやすい柄といえます。
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